謎のメタラー「メタリスト」の華麗なるメタルライフを 彩るアルバム達と彼によるレビュー
 
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The Wake of MagellanThe Wake of Magellan
(1998/04/07)
Savatage

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'97年にリリースされた10th。

ザッカリー・スティーブンスが参加している最後のアルバム。
本作品はエクトール・デル・フエゴ・マゼランという
年老いた船乗りが主人公である、コンセプトアルバム。
1527年に地球を一周したマゼランの子孫だと自称する彼は、
家庭を持たず、親しかった者は皆死んでしまい
自らが置かれている孤独な状況を儚み
どうせ死ぬのならば、自分の所持する船に乗って
海に抱かれて死ぬことを望んでいた。
そんな彼は周りで不条理な死を遂げたり、今正に死に
直面しようとする人間を目の当たりにし
自らの生き方を再び探し出す、という
フィクションの話とノンフィクションの話を
絡めたのが本作品のストーリーの核となっている。

スピード、テクニック、不自然に大袈裟な演出に頼らずに
曲とリフだけでドラマティックなストーリーを作り上げるということは
並大抵の事ではない訳だが、
彼らがいつもやっていることはそういうことで、
本作品でもそれは変わらない。
狙ってやっているドラマティックな演出と言えば
決め所でカウンターコーラスのパートを設けたりするくらいで
あとは、新しい手としてジョン・オリヴァの下手なラップ(苦笑)が⑦で聴ける
くらいのもの。
(これは必ずしも成功しているとは言えないが・・・)
しかしながら、近年の彼らの作品の中でも完成度はかなり高い。

静かなプレリュード的な①の後、ロックオペラの幕開けを象徴するかの
ような派手なオープニングナンバー、②が聴き手の気分を高揚させる。
不穏なメロディから始まる③では後半は、マイナーキーだったものが
メジャーキーへと変わりアル・ピトレリのGuソロで終わる。
続く④は重厚なリフと穏やかな海を感じさせるアコースティックギターの
音色とが交互に曲を構成する。
・・・ここまで聴いてみて、自分に対して思ったのは
「4曲目までは突出したキラーチューンが無いのだが、
それでも飛ばして聴こうと思わなかったのは何故か?」ということ。
コンセプトアルバムだから、と言えばそれまでなのだが
アルバムの構成が本当にオペラのように起承転結と
なっており、①~④くらいまでが
数章に分かれる、このアルバムの第一章というひとまとまりのように
思えたからだと思う。
まあ①は飛ばしてもいい気はするが、②③④は続けて聴かないと
私としてはしっくり来ない。

⑤はジョン・オリヴァがVoを取る、へヴィかつドラマティックな
ミドルテンポの曲。
というか、本作品にスピードナンバーは無い。無くても全然いいと思うけどね。
ギターで奏でる交響曲といってもオーバーではない
後半部のギターのハモリのパートを是非じっくりと聴いてもらいたい。
⑥は麻薬、というテーマの重さを感じさせるへヴィな曲。
⑦もジョン・オリヴァが歌う曲だが、彼の「悪役声」がハマる。

インストゥルメンタルの⑨の後、タイトルトラックでもある
⑩が始まる訳だが、カウンターコーラスのパートは
来ると分かっていてもやはり盛り上がるね。
こういうのはSAVATAGE節と言ってもいいくらいの常套句。
マンネリでもこういうのは期待するんだよね。
・・・やり過ぎると事だけど(笑)。
⑪はジョン・オリヴァのピアノから始まる重厚な曲だが
ザッカリーの優しい声がそこに乗ることで
解放感を感じる。特に後半は。

物悲しい⑫が終わるとラストの⑬。
自らの人生を儚み、ただ海で無為に死ぬことを望んでいただけの
年老いた船乗りは、密航の罪で海原へ投げ出された若い命を
救うために神に祈る・・・という一番盛り上がる部分だ。
ここでもカウンターコーラスが効果的に使われており、
物語を効果的に締めることに成功している。

考えてみれば、"STREETS"には"Believe"といった
キラーチューンがある事も手伝い名盤扱いを受けているが
このアルバムにはそこまでのインパクトのある曲は
無いかもしれない。
テクニック的にも地味だし、曲展開もそんなに凝っていない。
Voの重ね方とリフにこだわりを持って聴かせるタイプのアルバム
なので今のメタルを好む方に本作品がどれくらいアピールするかは
分からないが、これは名盤ですよ。

悪いけれどもその辺の雰囲気ものシンフォニックメタルバンドなんて
足元にも及ばないクオリティだ。
足りないのはクリス・オリヴァくらいインパクトのある
ギターフレーズくらいで・・・
ピロピロとした軽い速弾きを売りにするバンドの表面的な
メロディよりもこちらを聴いて感動して欲しいね。


~METALIST'S FAVORITE TUNE~
全13曲ありますが、これは全部ひっくるめて一曲なのです。
だから全部。


総評・・・92点

蛇足だが、なぜこのアルバムだけロゴを変えたのだろうか?
デビュー当時から使っているロゴはこのアルバムジャケットにも
合わないことは無いと思うのだが。
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