謎のメタラー「メタリスト」の華麗なるメタルライフを 彩るアルバム達と彼によるレビュー
 
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エンジェルズ・クライエンジェルズ・クライ
(2008/07/23)
アングラ

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'93年にリリースされた1st。

クラシックをHR/HMに取り入れた例は、DEEP PURPLEや
イングヴェイ・マルムスティーンなど、同時代に既にあった。
だからラジオで、「ANGRAという名前のバンドが
クラシックを取り入れたパワーメタルをやっている」と聞いても
曲を実際に聴くまでは、特に珍しいとは
思わなかったし、せいぜい「イングヴェイのフォロワーがまた現れたか」
くらいにしか思わなかった。
が、彼らはイングヴェイとはちょっと違ったアプローチだった。
何が違うのか、クラシック音楽に関する知識に乏しい私は
言葉で説明しづらいのだが(笑)
イングヴェイフォロワーではなくて、そのサウンドは
DEEP PURPLE、RAINBOWが下地になくて、どちらかというとHELLOWEENに毛色が近い、
疾走感溢れる交響曲のようで、とても衝撃的だった・・・と
記憶している。

①②の流れは、JUDAS PRIESTの"The Hellion~Electric eye"の
一連の流れのように自然に聴けるものだが、
②の曲のメロディの流れを聴くと、
一般的にはいい意味では使われない「様式美」という言葉が
この曲を表現する時だけに限って、格調高いものに聞こえる。
それほど完成されていると思う・・・まあ、終わり方はちょっと唐突だけどね。

こういう最初から躍動感の溢れる名曲がドアタマにあると、
並のバンドの並の作品ならば
そこから微妙な曲がいくつか来てもおかしくないが、このANGRAの1stは
力を緩めることなく、ハイクオリティな曲が続く。
それも絶妙な曲の配置で。
そう、このアルバムは単に良曲が揃っているというだけでなく
収録曲の配置、曲調のバランスにおいても優れているのだ。
そういう意味で収録曲それぞれが洗練された5thよりも、
私はこの1stの方が点数は低く付けていても衝撃的だった。

加えてこのANGRAの1stが当時、
たくさんいたメロディックパワーメタル勢の作品よりも
非凡であった点を挙げるとすれば、アンドレ・マトスの
ファルセットを多用するVoスタイルから生まれた(?)歌メロ作りのセンスが
挙げられる。
④のような曲はVIPER時代からあったけれども、
歌メロは格段に面白くなっているんだよね。
こういう歌メロというのは、現在Voを務めるエドゥ・ファラスキは
作らないので、この時代のANGRAを支持するファンも未だに多い。

スピード感溢れる曲だけでなく、先述したように
曲調のバランスが良くて⑤のようにど真ん中に配置された
バラードはシンフォニックでありながら、牧歌的な印象も
受ける不思議な曲もあるし
ラストの⑩のように、VIPER時代で言うところの"Moonlight"風の
重厚な曲もちゃんとあり、
見事なまでにクラシカルなメロディを好むHR/HMファンが
喜ぶツボを押さえまくっている。

私がこのアルバムであまり好きではない曲と言えば
⑧と⑦でやっている"Wuthering heights"のカヴァーだけ。
もともとケイト・ブッシュの美しい女声Voで歌っているのを
男のアンドレ・マトスが歌うものだから、これはちょっと苦手だった。
それ以外は・・・もう、至高の名曲揃いですね。



~METALIST'S FAVORITE TUNE~
①Unfinished Allegro
②Carry on

③Time
④Angel's cry
⑤Stand away
⑥Never understand
⑨Evil warning
⑩Lasting child



総評・・・94点

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コメント
この記事へのコメント
これがアングラのデビュー作ですからね、実に鮮烈ですよね。
この頃からキコとラファエルのテクニックは極まっていますけど
今一度聴き返してみると少し荒削りな感じもありますね。非常に
レベルの高いところでの話であり、近年のプレイがあまりに
凄すぎるわけですが。

しかしやっぱりこうして聴き返してみると、アンドレの歌声って
美しいですよねぇ。エドゥと声質的には似ていると思うのですが、
歌メロに関しては確かにアンドレの方が非凡なものを感じますね。
エドゥには正直最新作で裏切られたと思っていますので、尚更
そう感じてしまいますね。未だにアンドレを支持する人がいるのも
分かります。

個人的にはアンドレ時代はホーリー・ランドも捨てがたいんですが、
こちら1stもとても良くできた良質な作品ですね。名盤だと思います。
2010/05/12(水) 20:00 | URL | メタラーまっちゅ #-[ 編集]
>>メタラーまっちゅさん

ANGRAって、個人的には
1stで既に作曲面ではピークを迎えていて、それ以降の作品では作った曲に対する
アレンジやプレイ面で成長し続けるバンドだと思っています。
2ndが正にそんな感じで
1stの路線を継承しつつ、ブラジルの伝統的な音楽のエッセンスを付け加えたような
幅広さを見せていて、成長が見えます。
プレイ面での成長に関しては
キコやラファエルのプレイは特にデビュー当時からアルバムを出す度に
ギター雑誌では、特集を組まれるくらい毎回聴きどころ(?)を作れる
成長の度合いとか、彼らの向上心には驚くばかりです。
ブラジル人というのはスポーツとかでもそうですけど、何でも「極めた」人が多いですよね。

アンドレ・マトスの裏声を多用する歌い方は、クセがありますし
歌唱力という点で見るならばエドゥの方が上手いかもしれませんが、シンガーというのは
歌メロを作るセンスがあるかどうかが非常に重要だと思います。
(勿論、両方あるに越したことは無いですけど)
その点で考えると、私はアンドレを支持しています。
エドゥにはしっかり体調を良くして、次回アルバムを出す時に,
より素晴らしい歌メロを考えて欲しいですね。
2010/05/12(水) 22:15 | URL | メタリスト #-[ 編集]
このアルバムがHMへの正式な入門をしたきっかけでありました。それまでは他のロックやポップスと混ぜて聴いていましたが、このアルバム以降はしばらくHR・HMしか聴きませんでした。それ位衝撃的でありましたよ。アンドレのこのでんぐり返る声もなんだか僕の心の琴線に触れたのかとても好きでした。ギターに関しては次作のホーリー・ランドのキコのプレイが大好きであります。
何より当時気に入ったのはこのジャケット!この手の女神像物に弱いんです(笑)
2010/05/16(日) 10:34 | URL | ありんこゆういち #-[ 編集]
>>ありんこゆういちさん

このANGRAの1stは後追いで知ってからHR/HMの世界に入る人が多かったようですね。
でも、この一枚を聴いて「他にもこういうバンドがいるかも・・」という思いで、色んなバンドを
探してきたその気持ちはよく分かります。
私もイングヴェイが先ではありましたが、メロディアスでスピード感溢れるバンドを色んな
アンテナを張り巡らせた結果見つけたバンドでしたから、「これがあるからHR/HMは辞められない!」
みたいな気持ちになりましたもの(笑)。

アンドレ・マトスのVoも衝撃的でしたね!
日本のヴィジュアル系のバンドなんかでもファルセットを使う人はいましたが、アンドレの方が
より高いレベルの歌唱力を持っていましたし、それが地声ではハイトーンが出せない「逃げ」ではなく
彼自身の個性という説得力がありました。

それと今見ると、このジャケットはシンプルで美しいのですけど何と言うか・・・
見ただけでは音楽性が分からなくて不安ですね(笑)。
ちょっと間違えばFAIR WARNINGみたいなメロディアスHRでも通用しそうですし
下手するとドゥーム系とかメロデスでも、こんなジャケットになりそうですから。
2010/05/17(月) 01:35 | URL | メタリスト #-[ 編集]
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